春の訪れを知らせるホタルイカ。
漆黒の闇の中に一斉に波打ち際に身投げし青白い光を放つ姿はとても幻想的です。
その光景を楽しむのもありですが、海中に泳いでいるのを掬い、調理して食べるのも楽しく美味しいと一粒で3度美味しいホタルイカ。
興味がある皆さんもマナーを守って掬ってみてはいかがでしょうか。
ここでは、ホタルイカ掬いの基本をご紹介していきたいと思います。
ホタルイカはなぜ身投げをするのか?
ホタルイカは普段200~700mの深海に生息しています。
2~7月に最も多く産卵期を迎え、水面近くへ上がり浅瀬で産卵を行うなか、新月の夜に方向性を失った個体が浜辺に打ち上げられます。
その際、ホタルイカ特有の青白い光を放つことで幻想的な光景が広がるのです。
ちなみに、浜辺付近に来る個体はすべてメスで、オスは深海で命と引き換えに交尾をし深海へと沈んでいくそうです。
必要な道具について
必須の道具
・玉網
ホタルイカを掬う最も重要な道具です。
輪状の玉網よりも上が直線になっているD型の玉網のほうが、底にいるホタルイカを掬う際に砂を巻き上げる率を減らし、砂噛みさせずに掬うことができるのでおススメです。
・ヘッドライト
ホタルイカ掬いは暗がりで掬うので、できるだけ明るい物を使うと良いです。
また、手には玉網を持つので、懐中電灯よりもヘッドライトのほうがやり易いです。
・ウェーダー
3月4月の海はまだまだ冷たいです。
その海の中に腰まで入って掬うので、ウェーダーも必須です。
あったら便利な道具
・手袋
水は冷たいです。
長時間入っていると、だんだん指がかじかんできます。
防水系の手袋をおススメします。
・ソフトクーラーボックス
採れたホタルイカを入れます。
肩に担いで持ち運び、掬えたら入れていくと便利です。
大きなクーラーボックスを浜辺に置いて掬っている人も見掛けますが、盗難のリスクを抑えるためにも持ち運んだほうが良いと思います。
また、買い物かごに浮きを付けて引っ張る方法もあります。
・ヘッドライトの予備電池と充電器
時には長時間になることもあります。
その時に肝心のヘッドライトの光量が落ちてくると掬えるはずのホタルイカを見つけることが出来なくなってしまいます。
そのため、予備の電池を準備することをお勧めします。
強力なヘッドライトのため普通の乾電池とは違い、18650という特殊なリチウムイオン電池ですが、充電すれば繰り返し使えますので経済的です。
場所
皆さんが一番気になる所と思います。
富山県では、射水市から黒部市の間に多く接岸しているようです。
その中で、自動車が停めやすい、そして掬いやすい場所をご紹介します。
・八重津浜海岸
ここは駐車場もトイレもあり利便が良いです。
沖にテトラポットもあるので、ある程度の波は抑えてくれているので安心です。
・岩瀬浜海水浴場
トイレがあり、駐車場も広いです。
砂浜が広いので、駐車場から浜辺までの距離が若干ありますが、沖にテトラポットがあり、波も防いでくれています。
・黒浜崎海水浴場
近くにはキャンプ場もあり、同時にキャンプも楽しむことが出来ます。
・滑川漁港
ここでは漁港内で長い玉網を使って掬う方法が良いです。
お子様連れの場合は海に入らずに掬えるので良いかと思いますが、くれぐれも転落にはお気をつけください。
また、日中はほたるいかミュージアムもあり、ホタルイカの生態についても学べます。
出現しやすい条件
いつ行けばホタルイカが出現するのか、実際はホタルイカのみ知ることです。
しかし、先人からの出現しやすい条件というものがあるのでご紹介していきます。
・新月の夜
ホタルイカは月を目印に行動すると言われていて、目印が見えないと迷って砂浜に打ち上げられるそうです。
(じゃぁ、曇りの日は?と言うツッコミはやめましょう(笑))
2023年の新月は
- 2月20日(月)
- 3月22日(水)
- 4月20日(木)
- 5月20日(土)
- 5月30日(月)
となっています。
ホタルイカ掬いのマナー
ホタルイカ掬いで気をつけなければいけないマナーをご紹介します。
・車両のアイドリングをしない
・大きな声で騒がない
この2つは近隣住民に対しての安眠妨害となりますので、「自分が近所に住んでいる」と思って行動をしてほしいです。
・浜辺や駐車場での焚き火
火事に直結しかねません。
・路上駐車しない
住民の通行の妨げや交通事故の誘発に繋がります。
・ゴミを捨てない
・トイレなどの施設を壊さない
ひとりの行為で、その場所の閉鎖に繋がります。
ここに記載しているマナーは最低限のことなので、一人ひとりがマナーを厳守して掬う場を荒らさないようにしましょう。
さいごに
ホタルイカは自然の恵みです。
1匹1匹の命を大切に頂いて、美味しく料理に、食べ切れなければ冷凍や乾燥させるなど工夫して無駄にしないようにしましょう。